質問
腎不全では朝方に浮腫みやすいということですが、なぜ、朝に浮腫みやすいのでしょうか?
回答
腎不全では朝方に顔が浮腫む、心不全は夕方に足が浮腫むと言われていますが、浮腫みから原因を考えていくことは、離床のリスク管理の上でも重要です。
心不全の方はわかりやすく、日中活動してれば、足を下げていることが多く、下半身の血管に溜まった血液が血管外に漏出(毛細血管内圧の亢進)するため、夕方に浮腫みが生じます。
一方で、腎不全で浮腫が起きる機序は、毛細血管内圧の亢進以外に、低アルブミン血症や血管透過性の亢進など、複数の要因が考えられます。ただ、シンプルに考えると、腎不全による浮腫の原因は、腎臓のろ過機能低下による、水分とナトリウムの貯留です。腎不全では、ろ過機能が低下し、水分とナトリウムの排泄が十分できず、体内に貯留することで浮腫につながります。夜間は日中に比べて排尿の機会が少なくなるため、水分とナトリウムの貯留が著明となり、さらに、寝ている姿勢によって体水分は上半身にシフトするため、顔に浮腫みが出やすいと考えられます。
心不全では、不整脈や血圧変動など、腎不全では尿量や電解質異常などに注意して、今起こしてよいのか、待つのかを見極めることが重要です。浮腫みの出現するタイミングと部位にも着目してアセスメントをしましょう。
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