質問
変形性股関節症で全人工股関節置換術を行った患者さんを担当しています。術後もトレンデレンブルグ歩行が残っているのですが、中殿筋を強化すべきでしょうか?
回答
中殿筋はもちろんですが、腰方形筋にも着目すべきと考えます。変形性股関節症に多いトレンデレンブルグ歩行ですが、患側での立脚期に、反対(健側)の骨盤が下制する現象です。教科書的には中殿筋が主な原因とされていることが多く、確かに中殿筋の筋力は重要な要素ではあります。
しかし、歩行や立位で骨盤を支えているのは中殿筋だけではなく、骨盤の上方では、腰方形筋が支えているので、左右の腰方形筋と中殿筋のバランスが重要なのです。実際に、変形性股関節症で長年跛行を呈していた方では、腰方形筋が術後にもうまく使えず、トレンデレンブルグ歩行が残存している場合があります。是非、中殿筋だけではなく、腰方形筋もアセスメントして、必要なアプローチを検討してください。
[股関節に負担となる動作と回避する方法ついて学びたい方は]
7月23日(日) 14:00~16:00 ※2週間見逃し受講期間有り
整形外科疾患関節への負担が少ない動作の極意~股関節編~
【講師】吉田 俊太郎 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r185-2023#/
皆様の申し込みを心よりお待ちしております。
Tweet