質問
もともと呼吸音が弱い患者さんの異常を判断するポイントを教えてください。
回答
末梢で聴かれる肺胞呼吸音は、肺胞に流入した空気の乱流音といわれています。しかし、その音には個人差があり、流入する空気の量のみならず、体水分のIn-Outバランスや脂肪組織の厚さなど、様々な要因が音の大小を生み出します。同一の患者さんであっても、評価する日が異なれば、音の大きさは変化する可能性があるのです。
お勧めの方法は、その患者さんの健常な部位を基準にするということです。まず、フィジカルアセスメントとして触診を行い、吸気時に胸郭がよく膨らむ部位を探します。その部位を聴診し、聴こえた音を基準として覚えておきます。次にその部位と左右対称となる位置や病変部位を聴診していきます。すると、最初に聴診した部位に比べて、呼吸音が小さい、全く聴こえない、などの評価をすることができます。
健常なAさんの肺胞呼吸音を基準に、Bさんを評価する、という考えではなく、同じ患者さんの肺内で評価することで、また一歩アセスメントが進むと思います。
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