日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.438 【症状と併せてみるべきデータはこれ!】化学療法後の離床Q&A

質問

化学療法後の患者さんでは、副作用が落ち着いていれば、ある程度離床を進めてよいと言われたのですが、副作用が落ち着いているかどうかどのように見極めればよいですか?

回答

化学療法後の副作用が落ち着いているかどうかを見極めるためには、自覚症状と血液データのバランスを見るようにしましょう。副作用には吐き気や倦怠感、手足の痺れなどがありますが、この自覚症状と血液データを確認し、それぞれに関連性があるかを評価します。もし、自覚症状があり、血液データの推移も悪化傾向であれば、副作用が落ち着くまでは離床を中断するか、最低限の負荷とします。反対に、血液データに増悪がなければ、患者さんの自覚症状が悪化していないかを確認し、増悪がなければ無理ない範囲で離床を実施しましょう。

血液データで見ておくべきデータは、腫瘍マーカー、血球数(白血球、赤血球、血小板など)、肝機能や腎機能が挙げられます。肝臓はがん細胞の転移先となることが多く、腎臓はがん治療の副作用を受けやすい部位なのでチェックが必要です。また、化学療法中は骨髄抑制を生じる可能性があるので、血小板の数はしっかり確認しておくことが重要です。30000/μL以上であれば特に運動の制限はありませんが、10000から20000/μLであれば有酸素運動主体にして抵抗運動は行わないようにします。

抗がん剤治療は、がん細胞を破壊するために化学物質を使って治療を行うもので、その副作用として体力や筋力の低下が起こることがあります。がん治療における離床やリハビリは、生存率や生活の質の向上につながると言われているので、患者さんの状態と血液データに応じて負荷を見極めることが大切です。

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