日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.421 【吸気と呼気で何が違うの?】聴診に関するQ&A

質問

副雑音が吸気で聴こえる場合と呼気で聴こえる場合の違いについて教えてください。

回答

副雑音が吸気で聴こえる場合は中枢気道に病変があり、呼気で聴こえる場合は末梢気道に病変があることを疑えます。吸気時に副雑音が聴こえるのは、気道内に分泌物が存在しており、空気が通るたびに音が生じることが原因となっています。吸気はまだ気流が気道に入ったばかりの時期なので、中枢気道の病変を疑うことができます。痰の水泡音や狭窄で起こるいびき音が聴取でき、「ゴロゴロ、グーグー」などの低い音が発生するのが特徴です。ちなみに、水泡音は末梢の肺胞でも聴こえるので注意しましょう。

一方で、呼気時に副雑音が聴こえるのは、末梢側の細くて硬い気道で音が発生するためです。呼気は吸い切った空気が肺胞に到達し、そこから空気が末梢気道に移動する時期であるため、末梢気道の病変を疑うことができます。この末梢では、「チリチリ、ヒューヒュー」などの高い音が聴かれることがあり、チリチリでは肺胞が開く変化が、ヒューヒューでは気道の狭窄が疑われます。副雑音を聴き取るためには、正常な呼吸音を把握しておかなければなりません。

異常な音が吸気に聴こえるか、呼気に聴こえているかは、聴診と合わせて胸の動きを見ることがポイントです。是非、注意深くアセスメントしてみてください。

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