質問
変形性膝関節症の保存療法の患者さんで、膝関節の伸展制限が5から10度あります。伸展制限のアプローチはどこに行うと効果的でしょうか?
回答
膝関節の伸展制限は、膝関節屈筋群が原因であることが多いので、膝関節屈筋群へのアプローチが有効だと思います。
膝関節伸展制限がある問題点は、膝関節内にある前十字靭帯と後十字靭帯が緩んで機能しないことにあります。これらの靭帯が緩んだ状態では、膝関節が不安定になり、変形性膝関節症が進行して痛みにつながります。よって、膝関節伸展制限はできるだけ改善する必要があります。膝関節伸展制限に対しては、その制限因子である膝関節屈筋群へのアプローチが必要です。
具体的には、膝関節屈筋群の代表例であるハムストリングスの付着部である、膝関節の内側・外側の腱部に介入を行います。この部分はハムストリングスと、同じく膝関節屈筋群である腓腹筋の腱がクロスしていて、この腱と腱の滑走が阻害されると伸展制限につながるので、可動性を改善することは重要だと思います。膝関節に限ったことではありませんが、関節可動域制限に対しては早期介入が重要なので、アプローチのポイントを明確にして、早くから対策しましょう。
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