質問
エピソード記憶と意味記憶の障害で、アプローチは変わりますか?
回答
エピソード記憶と意味記憶の障害に対するアプローチ方法は、ほとんど同じです。エピソード記憶とは、「私が国家試験を受けた日は雪でとても寒い日で、試験に遅れないように早起きをしました」のように、出来事になぞらえて記憶しているものです。対して意味記憶は、「チョコレートは甘い、コーヒーは苦い」などのように、言葉や物に意味をつけて覚えている記憶のことです。
エピソード記憶、意味記憶とも反復学習が有効で、特に五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を活用することで覚えやすくなります。例えば、メモに書いて冷蔵庫の扉に貼っておく、時間になったらアラームを活用して知らせる、といったアプローチが効果的です。人間は脳の大脳新皮質の約7割を使って目から入る映像を処理するので、文字だけよりも図や写真を活用した方が記憶しやすくなります。また、覚えることはできるだけ簡潔にしたほうが記憶に残りやすいので、「簡潔明瞭」を心がけましょう。
環境が変化すると記憶しにくくなるので、同じ環境下で何度も繰り返し覚えることが大切です。記憶障害は周囲で関わる人だけでなく、本人にとっても大きなストレスになりかねません。まずは記憶障害について理解を深め、本人が心地よく過ごせる環境づくりを支援していきましょう。
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