日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.390 【すり合わせるコツは双方向!】患者さんのゴール設定に関するQ&A

質問

病棟看護師とリハスタッフで患者さんのゴール設定が合わない時は、どのようにすり合わせをしていけばよいですか?

回答

日頃からのコミュニケーションを頻繁に取るようにしましょう。それぞれの職種でゴール設定が合わないということは、日頃からのコミュニケーションが不足しており、お互いの意見が食い違っている可能性があります。ここでは、リハスタッフが看護師と意見をすり合わせるには、どうすれば良いかという観点から解説していきます。

病棟看護師から情報が欲しいと思った時には、まず、リハスタッフ側から看護師に対し、積極的に情報提供を行うよう心がけましょう。こちらからリハビリ中の出来事や、バイタル変化などの情報を伝えるようにすると、看護師から「〇〇さんは昨日の夜ずっと起きていて、杖も使わずに部屋の外まで歩いてきていたんですよ。」といった情報を得られることもあります。経験的ですが、一方的に聴くだけよりも、先に情報を提供することで、返ってくる情報が引き出しやすいと感じることが多くあります。看護師はリハビリだけでは評価できない部分も見ているので、ゴール設定をする上で、看護師からの情報はとても大切です。

特に、食事、更衣、入浴、排泄などのADLは、リハビリより看護師の方が動作を見ているので、しっかり情報を把握した上でゴールを決めるようにしましょう。例えば、事前に「要介護4」や「活動性が低く、常に寝たきりの状態である」などの情報を得ていたとしても、実際に見ている看護師から「トイレに行こうとして自分で起き上がりましたよ」という情報を得ることもあります。

このように、リハビリ場面と病棟場面で情報に解離が出てくる場合があるので、リハビリや病棟ADLの一場面だけで評価、ゴール設定をしているのであれば不十分です。看護師から情報収集をした上で目標を見直せば、より良いゴール設定ができるので、それぞれの特性を踏まえた情報を集めて判断をしていきましょう。

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