日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.319 【レニンとBNPに違いは?】心不全の血液データに関するQ&A

質問

レニンが心不全の増悪因子であるとのお話でしたが、レニンと関係深いBNPとの違いは何でしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

レニンとBNPは関係性が深いホルモンなので、その違いを押さえる事が大切です。

レニンの作用は末梢血管の収縮と抗利尿であるのに対し、BNPは末梢血管拡張と利尿作用があります。

つまりレニンとBNPは全く正反対の作用があり、心不全においてレニンが心不全増悪に影響するのに対し、BNPは心保護作用を有します。

心不全の重症度評価にはBNPが活用され、BNP値が100pg/mLを超えると治療対象になります。

考え方として、レニン高値が心不全増悪因子となり、それを緩衝するためにBNPも高値となるので、結果的にBNP値が心不全の重症度を反映するマーカーとして活用されていると、考えるとスッキリすると思います。

是非、アセスメントに活かしてみてください。