日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.225 【やりがちなこんな申し送り】ゴール設定に関するQ&A

質問

私は急性期に勤務しており、回復期や生活期の施設に申し送りをするのですが、正直どのような内容を先方が欲しいのかわかりません。どのような内容を申し送るのが良いのでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

恐らく申し送りする側の方は、多くの人が同じ悩みを持っていると思います。絶対的な決まりはありませんが、私のお勧めを紹介します。

それは、「どうだったか」という過去の情報より、「これからどうなるか」という現状から未来の情報のほうが価値あると考えます。具体的には、よく申し送るに書かれている内容は、運動機能、感覚障害、動作レベルの経過、ADLの点数などです。

これらは過去の情報であり、機能やADLレベルは、転院先でもアセスメントすることができるものばかりです。それよりは、社会参加の状況やIADL、家屋環境、家族の状況などを申し送るほうが、これからの患者さんの未来(ゴール設定)につながると考えます。

急性期では頻繁に家族が面会していても、状態が落ち着いた回復期以降では、ゴール設定につながるような情報が、簡単に得られないこともあるため、貴重な情報なのです。

是非、過去よりもこれからを見据えた申し送りを意識してみてください。