日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.222 【このままで大丈夫かな?】嚥下に関するQ&A

質問

軽度の嚥下障害がある患者さんに、トロミつき食事を開始しましたが、うまく食事できているか不安になることがあります。経口摂取を中止する場合の目安はなにかありますか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

無理な食事の継続は状態悪化につながるので、早い判断は重要だと思います。

経口摂取中止の目安は、「バイタルサイン」と「嚥下状態」の大きく2つです。

「バイタルサイン」では、呼吸・循環状態の悪化や、意識レベルの変動を認める場合は、経口摂取を中止し、誤嚥を疑い検査など確認が必要です。

また、「嚥下状態」では頻繁にむせる場合や、嚥下時に喉元を触れて、喉頭挙上が遅れる場合は中止の目安となります。

喉頭挙上が不十分ということは、VFで見た場合には舌骨挙上が不十分という状況で、食事の通り道が狭く、誤嚥のリスクが高い状態といえます。

これらに該当する場合は、経口摂取を中止し、経口摂取を継続すべきか、するのであれば、どのような食形態、姿勢で行うのか、再度検討することをお勧めします。

「このままで大丈夫かな?」という勘はとても重要です。勇気をもって立ち止まることも、臨床では必要なことだと思います。