早期離床Q&A(回答者:曷川 元 他 日本離床研究会講師陣)

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Q26.

心拍数と脈拍数の違い

心拍数と脈拍数について講義されていましたが、 違いについて教えて下さい。

A26.

脈拍数と心拍数は原則として同数値になる為、 一般的には同義語として使われています。

しかし、厳密には脈拍数と心拍数は違う意味を持ち、 特に不整脈の場合にはそれぞれの数値に差が現れます。

まず、脈拍数とは全身の動脈に生じる拍動数を指します (橈骨動脈で触診できる数)。

一方、心拍数とは心臓が全身に血液を送り出す拍動数を指します (心臓の収縮/心電図で得られる数)。

臨床でもよくみられる不整脈の中で、 心室性期外収縮を例にとると、 心室性期外収縮のリズム不整の特徴は、 「脈が一つ抜けたように感じる」と講義でお伝えしております。

これは、刺激伝導系から逸脱して心室から早期収縮を起こすことにより、 心臓から十分に血液が送り出せていない状況を示しています。

この場合、心臓の収縮は働いているので、心拍数はカウントされていますが、 脈拍数は拍動を触知することは出来ませんので、カウントされません。

Lown分類でも示されるように、連発や段脈が認められる際には、 心拍出量が低下している可能性を考え、ケア・離床を行う必要があります。

さらにVT(心室頻拍)で考えてみると、 心拍数が頻拍(心拍数上昇)となり意識レベルが低下する原因は、 全身に流れる血液が十分に拍出されていないことになります(脈拍数低下)。

心拍数だけ見るのではなく、 心電図の波形の形や脈拍動の強さを確認することで、 全身に流れている血液を感じることができます。

ぜひ臨床に活かしてください。

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